なぜそうなるか
婚約指輪を買ったあと、返せる?——クーリング・オフが使えるかは「どう買ったか」で決まる。店・ネット・家に来た販売の3つで見分ける
高い買い物だからこそ、あとで「本当にこれでよかったのか」と迷うことがあります。クーリング・オフが使えるかどうかは、指輪そのものではなく、どういう買い方をしたかで分かれます。
この記事を読むと、自分の買い方でクーリング・オフが使えるのかと、使えないときに何を確かめればいいかが分かります。
・訪問販売と電話勧誘販売は、8日間のクーリング・オフの対象として挙がっている
・ネット通販などの通信販売には、クーリング・オフ制度が無い。返品は店の特約しだい
・店に出向いて買った場合は、国民生活センターの一覧には挙がっていない
クーリング・オフって、そもそも何?
一定の期間なら、理由を問わずに申し込みを取り消したり、契約をやめたりできる制度です。国民生活センターは、こう説明していました。
クーリング・オフは、いったん契約の申し込みや契約の締結をした場合でも、契約を再考できるようにし、一定の期間であれば無条件で契約の申し込みを撤回したり、契約を解除したりできる制度です。
使える取引は、特定商取引法で決められたものに限られます。国民生活センターの頁には、その取引と期間の表があります。
8日間の欄に並んでいたのは、訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供です。訪問販売には、キャッチセールスとアポイントメントセールスを含むと書かれていました。
店で買った形でも、店に行くまでの経緯によっては、訪問販売の側に入ることがあるという書き方です。どちらに当たるかは、頁の表だけでは決められません。
迷ったときの相談先も、同じ頁にあります。取引がクーリング・オフの対象かどうか分からないときは、お近くの消費生活センター等へ相談するよう案内しています。
表に挙がっていない買い方もあります。自分で店に行き、自分で選んで買った場合は、この表のどの欄にも入っていませんでした。
店で買った指輪を返せるかどうかは、この頁には書かれていません。買う前に、その店の返品や交換の決まりを聞いておくのが確かです。
自分の買い方だと、どうなるの?
下の表で、買い方の行を見てください。国民生活センターの頁に書かれていたことを、買い方ごとに並べました。
| 買い方 | クーリング・オフ | 返品の決まり | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 家に来た販売員から買った(訪問販売) | 8日間 | — | 国民生活センター「クーリング・オフ」 |
| キャッチセールス・アポイントメントセールスで買った | 8日間(訪問販売に含むと書かれている) | — | 同上 |
| 電話で勧められて買った(電話勧誘販売) | 8日間 | — | 同上 |
| ネット通販・テレビ通販で買った(通信販売) | 制度が無い | 特約があれば特約どおり。無ければ受け取った日を含め8日以内、送料は自分持ち | 同上・見守り新鮮情報 第471号 |
| 自分で店に行って買った | 一覧に挙がっていない | 店の決まりを確かめる | — |
8日間は、いつから数えるの?
申込書面か契約書面の、早く受け取ったほうの日からです。
クーリング・オフ期間は、申込書面または契約書面のいずれか早いほうを受け取った日から起算します。
店の人に「クーリング・オフはできない」と言われて、そのまま期間が過ぎた場合の扱いも書かれていました。
クーリング・オフができないと事業者が言ったり、脅したりしてクーリング・オフができなかった場合には、所定の期間を過ぎてもクーリング・オフができます。
ネットで買った指輪は、返せないの?
クーリング・オフは使えません。返品できるかは、その店の特約で決まります。
通信販売には、クーリング・オフ制度はありません。
特約が無いときの扱いは、次のとおりです。
返品の可否や条件についての特約がある場合には、特約に従うことになります。特約がない場合には、商品を受け取った日を含めて8日以内であれば返品することができますが、その場合、商品の返品費用は消費者が負担します。
見守り新鮮情報の第471号は、ネット通販で買った靴の相談を例に、受け取ったらすぐに確かめるよう呼びかけていました。
返品が可能な場合でも、返品期限が設けられている場合があります。商品を受け取ったらすぐに中身を確認することが大切です。
ネットで注文する前のチェックリスト
- 返品ができるかどうかが、注文の画面や利用規約に書かれているか
- 返品できる期限と、送料をどちらが持つかが書かれているか
- サイズ直しや刻印を頼んだ場合の返品の扱いが書かれているか
- 届いたらその日のうちに、中身と注文の内容を見比べられるか
まとめ:あなたの場合はどれ?
- 家に来た販売員や、電話で勧められて買った:書面を受け取った日から8日間は、クーリング・オフが使える取引として挙がっている
- キャッチセールスやアポイントメントセールスに当たりそう:訪問販売に含むと書かれているので、8日間の欄を見る
- ネットで買った:クーリング・オフは無い。特約を読み、無ければ受け取った日を含め8日以内
- 自分で店に行って買った:国民生活センターの一覧には無い。店の返品の決まりを聞く
- どれに当たるか分からない:お住まいの自治体の消費生活センター等に相談する
こんなときは、この記事の話と違う
- 婚約そのものをやめることになった:指輪の返し方は、売買の決まりとは別の話です。この記事では扱いません
- 指輪の品質や表示が説明と違った:刻印の意味は内側の「Pt900」「K18」は造幣局の証明ではないで整理しています
よくある質問
クーリング・オフの知らせは、どうやって出すの?
書面(はがき可)か、電磁的記録です。国民生活センターの頁は、はがきなら両面をコピーし、特定記録郵便や簡易書留など発信の記録が残る方法で送るよう案内していました。
ダイヤモンドの産地を理由に返せるの?
この記事で読んだ頁には、産地の話は書かれていませんでした。国の指針が何を対象にしているかは、ダイヤモンドの輸入の指針にまとめています。
出典
- 国民生活センター「クーリング・オフ」(2022年6月1日更新) https://www.kokusen.go.jp/soudan_now/data/coolingoff.html
- 国民生活センター 見守り新鮮情報 第471号「通信販売はクーリング・オフできません」(2024年1月16日公表) https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen471.html
契約の前に、返品やクーリング・オフの扱いを、書面と店の説明であわせてご確認ください。
当方が上の出典を引いて確かめた日: